DroR Laboratory RESEARCH & FIELD NOTES

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記事

組織と経営をめぐる、実践と研究の解説。臨床組織科学(COS)の視点から論点を読み解きます。

組織と経営

なぜ組織は、変えても元に戻るのか

研修をしても、制度を変えても、しばらくすると組織は元の状態に戻る——多くの経営者が経験するこの現象は、意欲や能力の問題ではなく、行動を再生産している「構造」の問題です。本稿では、なぜ変化が元に戻るのか、どこに働きかければ変化が残るのかを、臨床組織科学(COS)の考え方にそって整理します。

組織と経営

会議は増えたのに、なぜ決まらないのか

会議の数を増やしても、意思決定は速くなりません。決まらないのは参加者の能力ではなく、会議が「報告・調整・相談・決定」を同じ場に混在させ、誰が何を決めるのか(意思決定単位)と判断基準が曖昧なまま運用されているためです。本稿では、会議体を一つの構造として捉え、決まる組織へ整える筋道をひもときます。

組織と経営

人的資本経営を、開示で終わらせないために

人的資本経営は、開示や指標づくりがゴールではありません。情報を出すこと自体は出発点で、人の力が実際に発揮されるかは、役割・学習環境・マネジメント・関係性という組織の構造で決まります。本稿では、開示の先にある「実装」をどう設計するかを整理します。

複雑系と科学

組織開発と構造的介入は、何が違うのか

組織開発(OD)と、臨床組織科学(COS)が提案する構造的介入は、目的を共有しつつも、介入する対象の深さが異なります。多くの組織開発が人・関係性・対話に働きかけるのに対し、構造的介入は、その行動を再生産している相互作用の構造そのものを設計対象にします。本稿で、その違いと接続を読み解きます。

構造への介入

心理的安全性は、施策ではなく構造から生まれる

心理的安全性は、研修やスローガンで生まれるものではありません。発言や挑戦を安全だと感じられるかどうかは、その組織で実際に何が起きているか——誰の発言が拾われ、悪い知らせがどう扱われ、失敗の後に何が起きるか——という相互作用の構造によって決まります。本稿では、心理的安全性を構造の問題として捉え、現場で育てる考え方を整理します。

組織と経営

「30人の壁」——拡大期に組織が詰まる構造

30人前後で、多くの成長企業が同じ詰まりを経験します。事業は伸びているのに、意思決定が遅くなり、創業期のスピードが失われる。これは経営者や社員の能力低下ではなく、少人数では機能していた「阿吽の呼吸」という構造が、規模に追いつかなくなったために起きます。本稿では、拡大期に組織が詰まる構造と、その整え方を考えます。

組織と経営

生成AIで作業は速くなったのに、なぜ判断は良くならないのか

生成AIを導入すると、文章作成・要約・資料化といった作業は確かに速くなります。しかし、多くの組織で実際に起きるのは「作業は速くなったのに、判断の質は上がらない」という事態です。これはツールの問題ではなく、判断を生み出している組織の構造——何を確かめ、どの基準で、誰が決めるのか——が変わっていないためです。本稿では、AIを「構造への介入」として捉え、速さと質を両立させる考え方を整理します。